査読のフローと役割に関するもの
編集委員長
- 編集委員長用、編集委員用のガイドラインはないが、何日以内に誰に渡して何日以内に返してといったような査読フローはある。(ID9)
- 論文の分類(総説、原著論文、研究報告、活動報告など)について言語化されていないルールがあり、査読者もそれに合わせて修正点を提案していたが、投稿規定を見直し再定義を行なった。(ID9)
- 論文投稿の流れ、判定をどうするか、査読プロセスを明文化したものはあるが細かいガイドラインや編集委員長用のガイドラインは無い。(ID11 )
- 査読委員を選ぶのは断られることも多く手間がかかる。その点専任査読委員がいるとよい。(ID10)
- 編集委員や査読委員になるためには論文執筆経験の条件を入れた。若い人の方が論文を執筆するため委員も若くなった。(ID10)
- 編集委員長としては編集委員の判断を尊重している。(ID10)
編集委員
- 査読委員の人数や研究の課題によっては統計を専門にする査読委員を選出するなど大まかな手順は決まっている。(ID7 )
- 採択と不採択で査読委員の意見が分かれた時もどうするかは決まっていない。(ID7 )
- 編集委員用の判断基準に関するガイドラインはない。専門の研究手法、研究領域やテーマに関する情報を査読委員への登録時に共有しているので編集委員はその情報を参考に査読委員を選任している。(ID7 )
- 論文の投稿数増加に伴い、編集委員長とサブの役割を作って対応している。編集委員長が量的か質的かではなく、テーマや専門性に基づいて論文を分け編集委員を割り振る体制。編集委員であれば質も量も見られると思うので手法は問わないが、査読委員はその手法を得意とする人を割り振る。(ID7 )
- 査読者を決める仕組みと査読後に編集委員は何をすべきかがわかるプロトコルや、オンラインで投稿の受付や査読を行うシステムのマニュアルはある。(ID8 )
査読の視点に関するもの
査読委員
- B学会誌では査読チェックリストに「看護学を発展させる可能性があるか」等あるが、同じ論文でも1回目はOKなのに2回目はいいえとなることもある。(ID1)
- 「オリジナリティーはあるか」「何か看護に貢献する内容か」等のチェックリストある。おそらくガイドラインに含まれる内容が既に書かれている。(ID3)
- オリジナリティーや貢献に関してはチェックをつけていけば良いが、自由記載のコメント欄に何をどう記載すれば良いか迷う。(ID3)
- 学会ごとに査読者シートが異なるが、返信用シートの中に項目が載っていることが多い。ガイドラインがついていることはほぼない。(ID3)
- 査読マニュアルは無いが評価項目はある。例えば、原著論文オリジナリティーがあるか、表題が適切に示されているか等を項目に沿ってチェックをする。(ID5)
査読コメントの表現方法に関するもの
査読委員
- A学会誌では査読者用のガイドラインはあるが、「ポジティブに返してください」程度のこと。(ID2)
- 「相手をけなすようなことを書かない」、「建設的な査読を」という文は査読ガイドラインで見たことがあるが、具体的なものは書かれていない。(ID3)
その他
論文をリジェクトする基準
編集委員長
- 編集委員長としての仕事は、他の委員の論文に対する意見を聞いて掲載するか否か判断している。(ID10)
- 質的研究でもある程度飽和して欲しい。サンプルが非常に少ない時はリジェクトする。(ID10)
- 大学院生の論文では、指導教員との関係性で指摘しても修正できない場合はリジェクトする。(ID10)
- 何度も修正して最終的に落とすよりも最初から見込みがなければ落とし、見込みがあっても修正が大変であれば再投稿を促す形にしている。(ID10)
- 編集委員会で、編集委員を匿名化した上で、採択率を提示した。編集員会でできるだけ、採択率をあげるように話しをしている。(ID10)
編集委員
- 1人がリジェクトで1人が修正後再査読という判定の場合もある。編集委員としてコメントを読んで修正が可能そうだなと思えば、1人がリジェクトという判断をしていても編集委員としては要修正再査読という形で判定することもある。(ID8 )
- 要修正再査読と判定している査読者であっても、編集委員宛てのコメントで、かなりリジェクトに近いことが書いてある場合は、1回リジェクトして時間をかけて修正してもらうように編集委員でもリジェクトの判定をすることはある。(ID8 )
- 分析し直さないと難しいときには、1回リジェクトする。(ID8 )
- 修正期限が短い雑誌の場合は、慌てて修正して未完成のものを出されても良くないので1回リジェクトし、もう1回コメントを生かして修正したもので新規投稿してもらう場合もある。(ID8 )
- 大して意味がないと思ったら、きれいに書けていてもリジェクトする。(ID1)