7. 資源として欲しいもの

コード化〜まとめまでの教育資源

編集委員長

  • 査読基準はシンプルなものが良い。困った時とき読めるQ&Aには曖昧ではない結論がほしい。(ID10)

編集委員

  • 分析方法が書かれた本の中にコード化のやり方の例は載っているが、参考になるものを見かけない。(ID8 )

査読委員

  • 「こういうときにこういう査読を返してます」という実例集。…「意義を述べてください」ではなく「比較の中で述べてください」と書く、というような言い回しの例とかがあるといい。(ID2)

方法論の概要をまとめた、知識を補強するツール(webページ、e-learning、 ガイドライン、Q&A など)

編集委員長

  • 時間や場所に縛られない、視聴後にディスカッションできたりするe-learningシステム(ID4)
  • 投稿者の目線から方法論のマッピングや解説がされたものがあると良い。(ID4)
  • 方法論に見合った結果や図表がない場合、個々の方法論の必要十分条件が分かりにくくなってきているので概略が欲しい。(ID4)
  • 方法論の歴史的な背景や方法の紹介の載った本は多いが、学会誌に投稿された実際の質的研究や応用のバリエーションから方法論の分類がわかるとわかりやすいかと思う。(ID4)
  • 質的研究に関する情報や資源を簡単にまとめたもの(ID10)
  • 質的研究の種類、それぞれ何を軸にしていてどんな分析の流儀があるのか、絶対に落としてはいけないポイントに関する情報。査読者向けのトレーニング(eラーニングでも可)。(ID11)
  • 編集委員長向けの教育では様々な研究のやり方を知れたら良いかもしれないと思う。(ID11)

編集委員

  • 質的研究は事例ごとに特徴が違うので経験を積むトレーニングを受けても応用しにくい。それよりは、学術全体に認められたガイドラインの説明を受ける研修の方が実用的。(ID7 )
  • グラウンデッド・セオリーでの基準や論文の形式(APA,AMAなど)による図表の作り方などがあると良い。各学会誌によって違うとやりにくく感じる。(ID7 )
  • 色々な先生、流派があり、自由度が高くなっている。数字で表せるサンプルは何名以上、データの語数はいくつ以上、飽和はどこで測るのか、何をもって真実性というのかなど、投稿する上で必要な要素を載せたミニマムガイドラインがあるといい。(ID7 )
  • 概念分析のガイドラインがあると良い。概念分析はこれまで総説で掲載されているため、その枠に投稿されることが多いが、そもそも何が総説なのかということも疑問。最近は投稿された論文の種類変更はしないようになっているので、尚更概念分析が総説に入るのか悩む。(ID8 )

査読委員

  • 分析方法の概要がまとめられているもの。(ID5)

他の人のコメントを読む機会・オープンで査読をする機会

編集委員

  • ガイドラインを作るよりも、「この論文を投稿したらこの査読コメントが来て採択/リジェクトになりました」というのを共有して、査読を全体的な実力を高める勉強の機会としてオープンにしていけたら良いと思う。(ID2)

査読委員

  • 査読は公開されないので自分の査読が合っているかよく分からない…自分の査読に対するフィードバックを受ける機会はほぼない。オープンレビューを取り入れたら良い。(ID2)
  • クローズドだからハラスメント気質になりがちなので、オープンにして「おかしいかもしれないが、分かんないからコメントする」というのが無くなるシステム。(ID2)
  • どうコメントを書けば良いかわからないような手探りの状態の査読者は、他の査読者のコメント見る機会があれば勉強になる。(ID3)
  • 査読コメントの事例があると良い。(ID3)

専門家に相談できる機会

編集委員長

  • 研究法を抱えているような先生方の極意や頭の中の主義・主張・視点を伝えてもらいたい。(ID11)
    査読委員
  • 論文の査読は機密情報なので同僚などには相談できない。その点、編集委員長や編集委員は論文も見られるので、メールで相談できる環境を作り、相談できることを周知できると良い。(ID3)
  • 査読時に方法論の専門家へ相談できれば勉強にもなる。身近にいれば理想だが、守秘義務も担保した上で、メールなどで方法論を聞くことができればよい。(ID5)

査読セミナーやトレーニング

編集委員長

  • トレーニングする機会がないと自分の経験に基づいて査読するしかない。学会の委員が入れ替わるにつれて他の学会の価値観や基準がミックスされ、結果的に他の学会との代わりがなくなる。(ID9)
  • 外部から新しく委員として入ってくる人はトレーニングの機会があった方がいい。医師が中心の量的研究ありきの学会など他学会の標準的な査読方法を適用されてしまうと本学会でやりたいことや強みが活かせない状況になり、質的研究も埋もれてしまう。(ID9)
  • 新しい編集委員になったとき、査読について(委員は必ずクリティークをする、査読は2回までにする)最初に話をした。(ID9)
  • 「こうすると投稿者のやる気を削がず、投稿が増える」というアドバイスや、他の人が行っている技(返信までの日数を統計的に出すなど)がわかると嬉しい。(ID10)

査読委員

  • グラウンデッド・セオリー・アプローチと、現象学と、内容分析と、KJ法は違うと思うので、違いをある程度は、最低限は理解するようなトレーニングは必要。(ID2)
  • トレーニングとしては幾つか特徴的な論文を参加者全員が査読して、お互いの査読に関して意見を交わせるセミナーがあると多様な査読視点が学べると思う。(ID5)
  • 査読者としての立ち居振る舞いを身につけるため、査読が依頼されたらその研究室なりに居る若手にも査読をさせて、2人でコメントを返すプロセス。(ID2)

その他

職務役割を明確化したマニュアル

編集委員

  • 編集者としては査読責任者や取りまとめる立場の人の役割が明確になると良い。査読者の意見を事務的にまとめる人や親身になってやる人もいる。関わり方で論文の質が左右されることもあると思うので、学会として一貫したスタンスを保つために必要なことが知りたい。(ID5)