方法論・手法には踏み込まない
編集委員長
- 方法論がしっかり書かれていない論文が通りにくいという意見もあるが、「方法論で論文の評価がわかるのはおかしい」という意見が編集員であった。(ID10)
- 既存の方法論に基づいているようであるが、定義されていない方法を使っていて、引用・参考文献もない場合、論文を通すか判断に困る。(ID10)
- 何らかのオリジナリティーを含んでいるか。(ID11)
編集委員
- 研究手法の議論は踏み込まずに査読者に任せている。手法が重要視されるならば質的研究を専門とする査読者に任せるべきだと思う。(ID7 )
査読委員
- ぎりぎり掲載してもよいと思えば、深入りしたコメントはしない。(ID2)
- 方法論に関して理解の限界があったので割り切って方法論に書かれている分析のプロセスがきちんと結果に反映されてるかっていうところの評価をする。(ID5)
- 「その専門家に指導を受けながら行った」という言葉をどこまで信用するか問題もあるが、その言葉を見てプロセスを踏んで行われた研究だとみなして判断した。(ID5)
新規性があるか、臨床へ還元できる示唆があるか
編集委員長
- 活動報告を査読する上での基準は分かりやすさや、伝わりやすさ。普遍性、転用可能性、課題、今後のビジョンなども立てられるとよい。(ID9)
- 学会が実践と離れており、研究がストレートに現場の役に立っていない。質的研究だけでは研究と実践を繋ぎ止められない危機感を持っている。(ID9)
- 活動報告も質的研究も、現場で起こってることをいかにリアルに伝えられるかが大事。読み手が使えると思えて、実践に生かし現場が少しずつ変化すればよい(ID9)
- カテゴリー化に偏りすぎず、ある程度カテゴリー化されていることによって、実践知が形式知的になって、みんなが使えるものになるのが最善。(ID9)
編集委員
- 新しい視点があれば、なるべく採用するようにはしている。(ID1)
- 質的研究の査読ではカテゴリーや結論が知見として意味があるか。特異な対象は質的研究として良い対象であるし、更に抽出されたカテゴリーが面白かったら意味がある。対象者やテーマにスペシフィックな内容が出ていれば評価ポイントになる。(ID7 )
- 量では取りにくく教科書にも載っていないが、現実に出会う事例ともマッチしている知見が明確にまとめられていた論文には興味を惹かれた。(ID7 )
- ナラティブな場合は対象者の特殊性、言葉の引き出し方などの面白さ、カテゴリーの水準、テーマの面白さ、正しさでの評価をしている。(ID7 )
- 編集業務としては最低限掲載する必要性があるとすれば、手法のことよりは知見。出てきた結果がいかに有用か。(ID7 )
- 学会によって基準が違うが、資料と原著、総説と原著の違い、概念分析は原著なのか総説なのか、議論になっている。(ID7 )
- コードとカテゴリー名の間の関連性がわからなかったり、抽象度が高すぎて「生活習慣」のようなものが出てきたりして、対象の特性(年齢や疾患)を活かせていないことがあり、オリジナリティーが出るカテゴリー名を検討するように返す時もある。(ID8 )
- カテゴリー名が一般的で新規性が評価できない論文が多い。もう少しオリジナリティーを出せるような分析ができないか。(ID8 )
査読委員
- 臨床にきちんと還元できるような示唆が得られてるかっていうような視点で査読をする。(ID5)
飛躍せず、論旨が一貫しているか
編集委員長
- リサーチクエスチョンの絞り込み、何についての意味内容を抽出しているのか。(ID9)
- カテゴリー化よりデータをまとめ上げになっていないか、カテゴリー化の抽象度が大きくデータの分類作業になっていないか。(ID9)
- 論文を通す時に問題になりやすいのは、方法論よりも目的・方法・結果が首尾一貫しているか(ID10)
- 論文・研究目的の明確さ、適切性、分析の妥当性、考察の適切性、飛躍がないか。(ID11)
- 質的研究に限らず論文はすんなり理解できるように論理的に明確に書いてあるか。(ID11)
編集委員
- 日本語を正しく使うことができているか、カテゴリーの不整理さ(体言止めなどの文章の形式、抽象度の水準、例でまとめられている言葉の長さや質)は確認する(ID7 )
- ポイントは小見出しの作り方、表や図の整合性。図のある質的研究は図を見ると掲載できるか否かクリアになる。(ID7 )
- 論文全てを読み込まないと分からないものより、一見して要点がわかるものは評価が高くなる。(ID7 )
- 目的・方法・結果の一貫性に課題がある投稿論文もある。結果の抽象度が高くオリジナリティーが低くなっていたとしても、研究テーマや対象者に特徴があれば良いと思うが、質的研究は目的と結果に一貫性がないと採択は難しい。(ID8 )
査読委員
- ライティングの基本的なところを押さえられていると通って、そこが押さえられてないと通りにくい。そこしか評価されてないような気もする。(ID2)
- 質的研究も量的研究も目的、方法、結果が一貫しているか。その研究の背景から研究の結果まで導かれていて、伝わりやすいか。(ID3)
- 一般的な質的研究も量的研究も、論旨が一貫してるかで査読をする。(ID5)
その他
方法論、飽和の妥当性
編集委員
- 「何でこの方法論なのか」を必ず確認する。研究テーマに即した方法論か、なぜそれにしたのかを確認する。その上で、その方法論に沿ったポイントをチェックして、コメントするようにしている。…結局、方法論を軽んじて意義だけで議論できるのか疑問。(ID2)
査読委員
- 結構Nには拘っている。(ID1)